小池 光子
花のあるくらし

いつも部屋には花をきらさずに生けていたのだけれど、 より大事に考えるようになった。花をさわるとほっとする。
3月半ばからのステイホーム。 外出は朝、ときどき近所を散歩して、週に1、2度買いものに出かけるくらいになった。
あれほど日常だったコンサートがすべて”なし”になった日々。 朝起きると、憂うつを振り切るようにして、 弾き語りの練習をした。はじめてのこと。 一度も弾いたことのない曲を、朝から夢中で練習して、 昼すぎまでには録画して、夕方までには動画をあげる。 ほぼ未経験、ひと様に見せるような代物ではないが、
思った以上に喜んでもらえてありがたかった。
ぜんぜんダメな日もあるけれど、 何もしないでいるより、音楽で頭と身体を動かしているぶんだけ、 “わたしは音楽家“、そう思えるぶんだけ、心がまっすぐだ。

そして何よりも、あなたに届けようと思うと、ようやく心と身体は動く。 歌って、それを聴いて喜んでもらうのが心底好きなんだなと思った。 頼りない日にも、歌っているあいだは広い気持ちで、
「大丈夫だよ」と言ってあげられる自分になれるのが不思議で、
音楽は、やっぱりわたしにとっては希望なのだと思った。

“日本野鳥の会”へ講義を聞きに行ったことがあった。 安西英明さんというツバメに詳しい先生が、 ツバメにまつわるたくさんのことを教えてくれたのだけど、 そのなかで忘れられない言葉がある。
“生きものにとって、生き延びることこそが、毎日の命題です。 きょうみなさんが何気なく目にする生きものは、 すべて、きょうまでを生き延びたものたちです。”
この期間中、この言葉が何度も浮かんできて、 そのたびに、目に入る生きものをすべて讃えたい気持ちになった。
わたしもまた、生き延びた生きもののひとつだった。
今まで経験したことのない日々だなぁと思っていたけれど、 すでに経験したことのある日なんか、一日だって来るわけないんだった。 ぜんぶ、あたらしい日なんだった。わかってたのにね。
5月が終わる。わたしにあたらしいことをくれてありがとう。
...はっ! カウアンドマスのクラウドファンディング返礼品のための曲、 まだできてないゾ。〆切迫る!
追伸*
およそ45日、欠かさず続いた、これもはじめてのこと。 それは毎朝の筋トレ。自分でも信じられない。
光子

Although I used to keep flowers in my room, now I think flowers more special than before. I feel relieved when I touch them.
Days all my concerts were canceled.
Every morning, I shook off my melancholy and practiced singing with playing piano. That's my first time.
I practiced songs I had never played in the morning, recorded in the afternoon, and released a video in the evening.
These were not good for showing to people, but my performances seemed to please people more than I thought.
When I try to sing to you, my mind and body could move. I really love singing to you.
It's strange that singing let me say that you are okay even on a tough day. Music is, after all, hope for me.
I thought these are days I had never experienced before, but I found there is no “today” that I had already experienced.
Every ”today” is a new day. I almost forgot it.
The deadline of composition is approaching!
Mitsuko
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